侍ジャパンでも、次期監督の有力候補として報じられている。今年3月のWBCで侍ジャパンが3大会ぶりの世界一に。メジャー組の大谷翔平(エンゼルス)、ダルビッシュ有(パドレス)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)、吉田正尚(レッドソックス)がチームの核となり、栗山英樹監督も手腕が高く評価されたが大会後に退任を発表した。次期監督は現在も決まっていない。

「世界一に輝いただけに、次の監督は大きな重圧とも戦わなければいけない。原監督が巨人の監督を務めながら、09年のWBCで侍ジャパンも連覇に導きましたが、NPBで指揮を執っている監督が兼務するのは現実的ではない。前ロッテ監督の井口資仁さん、前巨人監督の高橋由伸さんが候補に挙がりますが、指揮官としての能力は工藤さんが圧倒的に高い。短期決戦に強いのも大きなプラスアルファです。栗山さんが監督を務めたので大谷、ダルビッシュを侍ジャパンに招へいできたという報道がありましたが、工藤さんが次期監督でオファーを出せば、大谷、ダルビッシュらメジャー組は出場の意思を示すと思います。ソフトバンクの監督として日本ハム時代の大谷と対戦していますし、二刀流で最大限の能力を引き出すために、国際舞台でどう起用するのかも興味深い」(侍ジャパンを取材するスポーツ紙記者)

 ソフトバンク、巨人、侍ジャパン……今オフは工藤氏に複数の球団から監督としてラブコールが殺到する可能性があるが、民放テレビ関係者は「21年オフにソフトバンクからの続投要請を辞退し、退任している。親しい関係者には『家族とゆっくり過ごしたい』と話しているそうです。監督を引き受けることはエネルギーを費やすし、覚悟が必要です。いろいろやりたいことも多いでしょうし、バックネット裏から野球を勉強したい気持ちが強いのではないでしょうか。勝負師としてもう一度グラウンドに復帰してほしい思いはありますけどね」と語る。

 シーズン終盤となり、優勝争いから脱落した球団は「ストーブリーグ」を迎える。工藤氏の周辺が騒がしくなりそうだ。

(今川秀悟)