だがこれに対して、X(旧Twitter)では批判の声が圧倒的に多い。「義務教育でわざわざ行く必要があるのか疑問」「地域格差、港区内格差、まぁ〜言えばキリがない。上級国民の子供だけが行けるんやろなー」「今井絵理子や松川るいと発想が同じ」などの声で埋め尽くされている。その理由を前出の教育ライターはこう分析する。
「これが高校や私立中学校の修学旅行なら、全く批判は起きなかったでしょう。しかし公立中学校は義務教育ですし、公教育は全国一律が基本です。財政破綻した北海道夕張市であっても東京都港区であっても、教育の質に違いがあってはいけない。港区の取り組みに対する反対意見を『嫉妬』と一蹴する人も多いですが、『裕福な港区に住む中学生は最高レベルの修学旅行を体験し、貧乏な自治体の中学生は内容に乏しい修学旅行しかできないということを看過していいのか』という本質的な問題提起があることも事実です」(同)
専門家はどう見るのか。教育評論家の親野智可等氏は「ネット上で批判が投稿されるのはとてもよく理解できます」と言う。
「Xを利用する年齢層を考えれば、当事者である中学生が批判の投稿を行っているとは考えにくい。似た年齢層のお子さんをお持ちの保護者が『私たちも一生懸命に働いて税金を納めているのに、港区の修学旅行だけシンガポールというのは不平等で納得できない』と考えて投稿したケースも多いと思います。しかしながら、やはり港区の取り組みは評価すべきですし、むしろ積極的に全国の自治体が参考にする必要があるではないでしょうか」