采配に100点の正解はない。三井さんは、自ら手を挙げて登板した北村について、チーム愛と勇気があったと評価しつつ、こう締めくくる。

「出場時間の短い中継ぎたちが、毎日、ブルペンでどれほどの準備を重ね、どれほどの重圧の中でマウンドに立っているか。もっともっと知っていただけたら、野球がさらに面白くなるかもしれません」

 論議を呼んだあの采配。その狙いや背景を考えることも、プロ野球の面白さなのだろう。

(AERA dot.編集部・國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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