明日9月2日に国民民主党の代表選が投開票される。立候補しているのは玉木雄一郎代表と前原誠司代表代行。両者の主張の違いは明確で、結果次第では野党再編への足がかりと見る向きもあったが、現時点では他の野党に目立った言動はなく、静観している様子だ。
今回の代表選は政策についての論争ではなく、路線をめぐる戦いだ。玉木氏は野党の「大きなかたまり」の意義を否定し、前原氏は政権寄りになることを批判した。2人にとってその違いは、政治家としてのルーツに由来するものとして、互いに譲ることができないものになっている。
1993年の衆院選で初当選を果たした前原氏は、日本新党を国政の出発点として、常に自民党に対峙してきた。新党さきがけでは自民党や旧社会党と連立を組むも、1996年の旧民主党結成に参加。1998年に民政党や新党友愛などが合流した民主党で、ネクスト外務大臣やネクスト防衛庁長官などを務めた前原氏は、安保政策に通じた若手論客として頭角を現した。
大平元首相の「後継」自負する玉木氏
一方で玉木氏は、もともと自民党からの出馬を希望していた。だが地元の香川2区ではすでに木村義雄氏が議席を占めていたため、2005年の衆院選では民主党公認で出馬して落選。2009年の衆院選では民主党公認で初当選を果たしている。
故・大平正芳元首相の遠戚であり、その選挙区は大平氏の地盤だった中選挙区時代の香川2区と重なるため、玉木氏は「大平の後継」を自負している。もちろん主張する政策は、中道保守の宏池会の政策に似ている。また宏池会出身の岸田文雄首相とも近いことは、玉木氏が主張する「対決より解決」の基礎となっている。