その問題とは何なのか。それは、小中高校生たちの急速な野球離れだという。上田さんは言う。
「学童野球は10年頃から、その上の中学野球は13年頃、高校野球は15年頃から競技人口が少子化よりも早いスピードで減ってきています。私がよく活動をしている神奈川県では、もともと2千くらいあった学童野球チームがここ15年で600くらいに激減しました。この状況は全国でも変わりません」
日本高等学校野球連盟によると、23年度の加盟校の硬式野球部員は12万8,357人で、9年連続で減少しているという。
全国の野球チームと接する機会が多いという上田さんはここ数年、競技人口の急激な減少を肌で感じ、「大きな危機感を抱いている」と話す。
上田さんは「野球離れ」の原因の一つに、旧態依然とした指導法があると考えている。
「指導者の意識改革は急務だと思います。いまだに軍隊的な一律の指導をしていたり、朝から晩まで長時間の練習を課していたりする指導者も見かけます」
慶応高では個人練習が多いという。