「それが野球がうまくなる近道だと思います。私のときはみんなでそろって声を出してとか、足をそろえて走ってとかはせず、自主練をメインにしていました。いまの慶応高校の練習内容を詳しく聞いたわけではないですが、現在でも変わっていないそうです」
サッカーのように野球にも指導者のライセンス制度もあるが、十分に広まっていないと感じるという。
「指導に関する十分な知識がない人が、野球経験があるというだけで指導をしているケースも多い。そういった指導者の全てが悪いわけではないですが、医療的な知識が不足しているために故障してしまう子どももいて、中には小学生でひじの手術を受けている子もいます」
そしてこう続ける。
「古臭いというイメージが野球についたままでは、子どもたちが野球をやってくれなくなってしまう。同じ危機感を持っている指導者は多く、その危機感から生まれてきたものの一つが『脱坊主』だと考えています。なので、坊主かどうかが本質的な問題ではなく、それが生まれてきた背景にこそもっと目を向けていくべきだと思います」