慶応高の森林監督も危機感を持つ指導者の一人だと上田さんは言う。上田さんは森林監督を「高校野球好き以外の何者でもない」と評す。
上田さんは森林監督が慶応高の2年生のときに同高の監督に就任。その後も森林監督が学生コーチや、助監督を務めるなど、長年一緒にチームを率いてきた間柄だ。「良きパートナー」と上田さんは言う。そして森林監督の活躍をこう評価する。
「野球界の古いしきたり、頭髪のほかにも、厳しすぎる上下関係など、上から押しつけるような指導は違うのではないか、ということを積極的に発信してくれている。頼もしい限りです」
「私は、野球が子どもたちの身近からかけ離れたスポーツになってほしくない。そのためには髪の毛どうこうばかりを話題にするのではなく、ジュニア期の野球をどう教えていくとか、野球とはどうあるべきかということをもっと考えていかなければならないと思っています」(上田さん)
甲子園のニュースが増えるいまだからこそ、野球界が陥っている危機にも目を向けてほしい。
(AERAdot. 編集部・唐澤俊介)