一方のパ・リーグでは楽天西武日本ハムの3球団が苦しい状況となっている。まず楽天の投手で期待したいのがドラフト6位ルーキーの林優樹だ。近江高校時代から甲子園で活躍したサウスポーで、社会人で見違えるほどストレートが力強くなり、3年間の最短でプロ入りを果たした。今年も二軍ではリリーフとして23試合に登板して防御率2.21、奪三振率11.07という成績を残している。少し無駄な四球が多いのは課題だが、貴重なサウスポーだけに後半戦は一軍のブルペン入りに期待したい。

 野手では現役ドラフトで獲得した正隨優弥の名前を挙げたい。広島時代も二軍では安定した成績を残しており、移籍1年目の今年もここまで3割近い打率、9割近いOPSを残している。チームは以前から左打者が多く、主砲の浅村栄斗もベテランになっていることを考えると右の強打者タイプを発掘する必要性は高い。せっかく現役ドラフトで獲得した戦力だけに、後半戦はぜひ一軍でも試してもらいたい。

 打線が課題の西武ではやはりドラフト1位ルーキーの蛭間拓哉にかかる期待が大きい。オープン戦では結果を残せず開幕一軍入りは逃したものの、二軍では3割近い打率を残して6月23日に一軍に昇格。6月25日の楽天戦ではプロ初ホームランも放っている。その後はなかなかヒットが出ない試合も多く、打率は1割台となっているが、オールスターブレイク前には2度のマルチヒットを記録するなど徐々に一軍の投手にも対応してきているように見える。先日、同じ左打の外野手である川越誠司をトレードで中日に移籍させることができたのも、蛭間に使えるメドが立ったと判断したからではないだろうか。残りのシーズンもある程度我慢して起用することで、来季に繋がる部分も大きいはずだ。

 最後に日本ハムだが、万波中正、清宮幸太郎、野村佑希の強打者タイプが育ってきただけに、リードオフマンタイプの発掘が重要になってくる。そこで期待したいのが五十幡亮汰と細川凌平の2人だ。五十幡はレギュラーをつかみかけては故障で離脱を繰り返しており、今年も左太ももを痛めて2カ月間二軍暮らしとなっている。ただそれでもチームトップの12盗塁をマークしているのはさすがという他ない。コンディションに注意する必要はあるが、後半戦こそは完全なレギュラー定着を目指したい。

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未来の“主力”は見つかるのか…