写真はイメージです(Getty Images)
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 現在、若者(15歳~39歳未満)のひきこもりは推計54万人に上り、そのうちの約4割が女性といわれている(2015年内閣府の調査より)。女性は一般的に家事を担うことが多く、就労していなくても違和感をもたれにくいので、男性に比べてひきこもりの実態が見えづらい。しかし実際には社会に居場所を持てずに、孤立している女性も多くいる。中学で不登校になり、ひきこもりを経験した34歳の女性の優紀さん(仮名)もその一人。ある支援団体に頼ったのがきっかけで自立することができたという。優紀さんと、自立を手助けしたスタッフらを取材した。

◆思い悩んだ母親は宗教にハマる 何とか学校に行かせたい

 優紀さんは、中学2年生のときに不登校になった。友達とうまくいかなくなったのがきっかけだ。

 母親には、娘が「普通の道」から外れてしまったと映ったのだろう。とにかく優紀さんが学校に行くことを望んだ。心配した友人や部活の仲間が家に来てくれることもあったが、優紀さんは誰にも会いたくなかったので拒否した。それでも、母親に無理やりドアを開けられてしまった。

 母親は、ふだんは優しいが怒ると怖い。優紀さんを叱り、何とか学校に行かせようとした。

 優紀さんのことを思い悩んだ母親は、宗教にはまった。寺のようなところに優紀さんを連れて行き、祈祷を受けたり、あるときは、紙のお札を食べるよう強要されたという。

「おいしくなくて辛かったです……」(優紀さん)

 不登校のまま卒業後の進路を決める時期になり、優紀さんは、通信制の高校への進学を希望した。しかし母親と、通っていた塾の講師は大反対。「何が何でも普通高校へ行け」という方針で、塾の講師からは、「行くというまで家に帰さない」「叩いてでも行ってもらう」などと威圧的に説得されて、しぶしぶ普通校への進学を決めた。

 しかし、やはり入学して間もなく不登校になってしまった。

 そんなとき、母親が亡くなった。優紀さんが中学3年生のとき、母親が体調を崩して検査したところ、すい臓がんの末期と診断されていたのだ。

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精神科に入院を自ら希望した理由