都央さんは「学校に行ってない、サボっている、頑張っていないとか言われるのですが、自分なりに頑張っているんだというのを知ってもらいたい」と話す。

■人と違う個性、誇りになった

 平日、美術館や図書館へ行くと、じろじろと見られることもある。だが、純子さんは胸を張って歩くようにしているという。

「学校は行くものだから、平日に子どもがいるのはおかしいでしょうと思われることもある。だけど、息子は家でたくさん勉強をこなして、今は散歩やリフレッシュなんです、と堂々としていたいなぁと思います。自分の中の常識や、外からどう見られているのかということで息子を苦しめてしまうことはできるだけしないようにしたいなって思います」

 純子さんは「人と違う個性を持っていることが誇り」と次第に感じるようになった。ただ、ギフテッドについての理解は、社会でも学校現場でもまだまだ行き届いていないと感じる。「ギフテッド」という単語を聞くと、「なんでもできるすごい天才」というイメージを持たれてしまうことも危惧する。

 試行錯誤しながら登校したり、リフレッシュ休みをとったりする日々だが、都央さん、純子さんの悩みは尽きない。学校ではみんなが同じようにすることに価値が置かれているように感じ、登校しないと評価されない。この先の進路を考えた時に、出席日数がネックになることも出てくるかもしれない。「足が速い、絵が上手と同じように、ギフテッドを個性の一つとしてとらえてほしい」。そう願っている。

(年齢は2023年3月時点のものです)

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