林:すいません、私、見てないんですけど、どんな役なんですか。
阿川:宮沢君の母親役。「私、こんなきれいな息子を産んだ覚えありませんけど、大丈夫でしょうか」って申し上げたんだけどね(笑)。
林:セリフは多かったの?
阿川:母親役だから、主人公2人の端っこにいる端役だと思ってたの。ところが! 後半から、ラストシーンまで鈴木亮平君と二人だけのシーンが多くて、「えっ、こんな大事なセリフを私が言っちゃっていいんですか?」って、かなりビビりました。
林:へぇ~、見たいな、本格派女優、阿川佐和子の演技を(笑)。私も演技するの大好きなんだけど、オファーがないの。
阿川:昔、NHKの「朝ドラ」(「あぐり」)に出てらしたじゃない。
林:あれ以来まったくないんですよ。舞台女優になって蜷川(幸雄)さんにとことん演技指導してもらって、女優としての才能を導き出してもらうのが夢だったんだけど、蜷川さんにこの対談に出ていただいても、全くオファーもなく(笑)。対談のあと蜷川さんは埼玉のほうで55歳以上の人を集めて劇団(さいたまゴールド・シアター)をお作りになったけど、そのとき私はまだ年齢が足りなかったんです。あのとき足りてたら応募してたかもなあ……。
阿川:アハハハ。
林:ところで、「週刊文春」の阿川さんの対談(「阿川佐和子のこの人に会いたい」)はもう何年?
阿川:1993年からだから、今年でちょうど30年。林さんのこれは?
林:95年からだから28年。ゲストの取り合いというか、こっちがオファーしたら断ったくせに、阿川さんのほうはオーケーした人、私の脳内リストにちゃんと入ってますよ(笑)。
阿川:たとえば?
林:○△□さん。あ、実名出しちゃまずいか(笑)。
阿川:あら、私だって、そういう人たくさんいますよ。……お互いに嫉妬し合ってどうする(笑)。
林:うちの夫が「君も阿川さんみたいに誰からも好かれる人間になれ。そうすれば対談にも出てくれるよ」と言うんだけど、私が嫌いなのか、朝日が嫌いなのか。