阿川:林さんには林さんの、私には私のカラーがあるんだからしょうがないですよ。超過密スケジュールなのに、28年間、毎週、人に会ってインタビューするだけでエラい! けっこう負担じゃなかったですか。
林:吸い取られることありますよね。すごい疲れる。
阿川:疲れるし、事前に勉強しなきゃいけないし。
林:ゲストの映画を見ておかなきゃいけないし、本も読んでおかなきゃいけないしね。でも阿川さん、あまり資料を読まないって聞いたよ。
阿川:読まないというか、間に合わないの。スンマセン(笑)。私は、「週刊文春」のインタビューと、もう終わったけど、「サワコの朝」をやってたときは、月に最低8人会う計算になって、加えて単発のインタビューが入ったりすると、月に10人ぐらい会ってたの。それだけでもうヘロヘロ。
林:わかります。それも、知ってる人がゲストなら楽しくおしゃべりできるけど、初めて会うアイドルとか芸能人とかの場合は、ちょっと大変ですよね。
阿川:どんなに若い子でもお客さまだから、こっちがお迎えしなきゃいけない。向こうが憮然としてると、ご機嫌とるのに必死よね。
林:「まあステキ」「わっ、きれい」「お顔ちっちゃいのね」とかいうところから始めなきゃいけなくて、心を開いてくれるまで時間がかかります。某人気アイドルグループの人は、早く終わらないかなって感じで、対談中ずっと壁の時計を見てるからヤんなっちゃった。阿川さんはテレビによく出てるから、そういう若い子でも「阿川さんだ」ってわかるけど、私なんか「このオバサン誰だよ」みたいな感じで来る人も……。
阿川:そんな人いた? 誰? 最後だから言っちゃえば。
林:ほんとに感じの悪い人は2人だったな(笑)。若い芸能人は大変だけど、会いたいなとも思う。でも、映画とかドラマのパブリシティーじゃないと出てくれないじゃないですか。それがつまらない映画だったりしたときってどうします?