林:その話、おもしろい!
阿川:鶴瓶さん、大喜びだった。「速記の人にまでウケてよかったなあ」って。あれは忘れられない対談でしたね。林さんは、いままでで会っていちばん感動したとか楽しかった人って……?
林:そうですねぇ……、長嶋茂雄さんとかテノール歌手のドミンゴさんと会えたのが感動的でした。ドミンゴさんとお話したときの写真は、いまだに机の上に飾ってありますよ。
阿川:28年間続けてきて大変だったけど、でも、結果的にはやってよかった?
林:すごくよかった。日大でも「理事長、なんでそんなに人脈がすごいんですか」って言われる。対談で知り合って、気が合って親しくさせていただいてる人たくさんいますよ。阿川さんもいるでしょう?
阿川:いる、いる。和田誠さんなんかそう!
林:阿川さんは「インタビュー」とおっしゃるけど、私、「対談」というからには、相手と対等じゃなきゃいけないと思ってるんです。私たちがインタビューを受けるときに、自分のことを延々としゃべるインタビュアーがいるけど、それはちょっと違うんじゃないかと思う。でも、私たちのは対談だから、自分のことをしゃべってもいいんですよ。
阿川:でもね、「週刊文春」の対談が始まる前、私、テレビのニュース番組に出ていて、その中でインタビューの仕事がいくつかあったんだけど、「おまえはインタビューが下手だ」って怒られてばっかりだったの。だからインタビューが苦手だと思ってたのね。私、ものを知らないんですよ。
林:いやいや、とんでもない。
阿川:「賢そうな顔をしてる」って小さいころから言われてたんだけど、ほんとにバカなの。「野球はどれぐらい知ってますか」「えーと、セ・リーグとパ・リーグがあって、どっちがどっちだっけ?」とか、「じゃあ相撲は?」って聞かれても、横綱以外のランクがわからない。サッカーも何人で何分やるのって感じで。
林:でも、政治はテレビのニュース番組をやってたからいろいろ知ってるんじゃない?