ソフトバンク・有原航平には日本一奪回のキーマンとして大きな期待がかかる。交流戦以降の一軍登板を目指しファームで調整を続けている右腕だが、下馬評通りの活躍ができるのだろうか。
ソフトバンクは2年連続でリーグ制覇を逃した昨オフ、総額80億円とも言われる大補強を敢行。目玉の一人として昨秋にMLBレンジャーズからFAとなった有原を3年15億円(推定)で獲得した。
「米国では結果を残せず、故障による手術も経験するなど結果的に失敗の形に終わった。しかし故障の影響も心配なく、30歳という年齢を考えても戦力になるという判断。ローテーションの5~6番手に収まってくれれば心強い存在になる」(ソフトバンク担当記者)
米国でプレーした2年間でメジャーでの登板は15試合(うち先発は14試合)に終わり、3勝7敗、防御率7.57。渡米1年目の2021年5月には右肩動脈瘤を治療するための手術を受け、9月にメジャーに復帰したものの、シーズンの大半をリハビリに費やした。また、翌2022年もほとんどをマイナーで過ごし、同オフに日本球界復帰を決意した。
「安定感ある投球スタイルは今も健在のように見える。空振りを奪ったり力でねじ伏せるタイプではないが、投球に角度があるのでフライで打ち取れる。多彩な球種を操れて制球力が高いので、長打に気をつければ大崩れしないとは思う」(日本ハム関係者)
有原は渡米前には日本ハムで6年間プレー。1年目に8勝をマークして新人王を獲得し、5年目の2019年には15勝を挙げて最多勝に輝くなど、通算で60勝50敗、防御率3.74という成績を残した。ソフトバンクはエースの千賀滉大が今季からメッツへ移籍。有原がかつてのような実力を発揮できれば、千賀の穴をそれなりにカバーできるとも考えられるが、不安な部分もあるという。
「球速も150キロを超えて変化球のキレも悪くない。しかし打ち取ったと思った打球が外野の頭上を超えるケースが多い。四球を出すことも少ないがカウントを悪くする姿も多々見かける。調整にはもう少し時間が必要な感じで、期待される交流戦に間に合うかどうか」(在京球団編成担当)