二軍の試合ではここまで7試合に登板(うち先発は5試合)して2勝、防御率2.65と成績自体は悲観すべきものでもないが……。

「一軍の先発投手陣は頭数が揃っている。有原と同じく、二軍スタートとなった先発候補も多く、余程の投球を披露して周囲を納得させないとチャンスは回ってこない。過去の実績が優遇されるのは調整方法のみで、登板機会は自分で掴むしかない」(ソフトバンク関係者)

 開幕二軍スタートとなった先発陣では、武田翔太、森唯斗、ガンケルに一軍での登板機会が与えられた。それぞれ二軍では文句なしの投球を続けており、有原にも同様のことが求められている。

「競争というところでは、もうちょっと闘争心というところを見せてもらいたい」(3月9日、藤本博史監督)

 3月9日のヤクルト戦(PayPayドーム)、オープン戦とはいえ本拠地初登板で3回を投げて9安打6失点を喫した。大型契約で獲得した右腕に対して、指揮官の要求が高いことが伝わってきた。

「首脳陣が必死さを求めるのも理解できる。性格や表情もあるが常にマイペースな感じ。米国ではそういった部分も裏目に出て競争に負けたようにも感じた。ここから先も同じようではダメで、ハングリーさがないと勝負にならない」(ソフトバンク関係者)

「ソフトバンクには松坂大輔という苦い思い出がある。良くない言い方だが代理人に不良品をうまく売り込まれた。そして松坂本人も気持ちが完全にきれてしまっていた感じもあった。同様の失敗は絶対に繰り返してはいけないと球団は必死なはず」(在京球団編成担当)

「平成の怪物」松坂は2014年オフ、ソフトバンクで日本球界復帰を果たした。3年12億円プラス出来高(推定)という大型契約を結ぶも、不調やコンディション不良もあり3年間で一軍登板は1試合のみ。2018年に中日へ移籍して6勝を挙げカムバック賞を獲得したが、ソフトバンクの投資は完全に失敗に終わってしまった。

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有原の活躍がチームには欠かせない?