●「リスク許容度」を知る
一方、ある程度まとまった金額を元本割れがあり得るリスク商品に投資する場合、いくらぐらいまでの損失なら自分は耐えられるかを知ることが重要だ。元本割れに恐れおののき、夜も眠れなくなってしまっては投資を継続することが難しくなるからだ。神戸氏が言う。
「余裕資金1千万円を運用しているとして、最悪、いくらまで下がっても我慢できるかを自問してください。数十万円までの『小』タイプから100万~200万円までの『中』、300万円以上の『大』の3段階ぐらいで、自分を分類してみてください。後で述べますが、どのタイプかで運用商品が違ってきます」
●「シャープレシオ」で比較する
投信の良し悪しが簡単にわかる指標も知っておこう。神戸氏が重視するのは「シャープレシオ」という指標だ。
これは、とったリスクでどれだけのリターン(収益)を上げたかを示す数値だ。難しい説明は省くが、預金にほとんど利子がつかない現状では、各投信の年平均リターンをブレ幅(リスク)で割ったものと覚えておけばいい。
「この数字が大きいほど運用がうまかった投信といえます。投資対象が決まれば、同じカテゴリーや運用スタイルの投信同士をシャープレシオで比べてください。どの投信がいいか一目でわかります」(神戸氏)
シャープレシオは「モーニングスター」など投信評価サイトの各投信のページに必ず載っているので、チェックする癖をつけよう。(本誌・首藤由之)
※週刊朝日 2023年3月24日号より抜粋