<フードロス>の問題も、他の多くの問題と同じ根っこでつながっていました。社会の仕組みの問題であると同時に、その社会の仕組みを構成する私の、私たち自身の問題でもありました。だからこそ私たち自身が変えていく意思と力を持って、小さな声を集めて具体的に前へ向かって進んで行きたいと思うようになりました。
「食べて生きていく」という人の営みのおおもとをおおらかに肯定しながら、子どもたちに残すべき地球の未来を守っていきたい。
できることはきっとたくさんある、そんな風に思えるようになりました。
注)1968年、カネミ倉庫(北九州市)製造の食用油(米ぬか油)に、脱臭工程で熱媒体として用いられたポリ塩化ビフェニル(PCB)が混入し、摂取した人々に深刻な健康被害がもたらされた食中毒事件。発症の主因はPCB類、及びPCBが加熱され、酸化したポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF/ダイオキシン類の一種)など。吹出物、色素沈着、目やになどの皮膚症状のほか、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振などの症状があり、改善には長い時間がかかる。
(構成/保田さえ子)