スケジュール管理とタスク管理、そしてファイル管理。その3つを、自身の主な仕事と課した。
「子どもがその時々にやらなければいけないことを把握し、週間スケジュールを一緒に作成することから始めました。時間割をつくり、子ども部屋やリビングなどに貼り、平日はそのスケジュールをもとに、自走してもらうようにしました」
大切にしたのは、「細かなスケジュールは子どもと一緒に決める」ということ。
「息子のタイプを考えても、人から指示されるのは嫌だろうな、と感じていたので、中身は子どもに主体的に決めていってもらいました。僕がしていたことといえば、エクセルの操作くらいです」
小学4年から週間スケジュールをつくり、学期や学年が変わるタイミングで改版していった。勉強への取り組み方、仕組み化のヒントが欲しい時は、ネットからの情報や同じ受験生の親のブログを頼りにした。
自身は理系ということもあり、ビジネス同様、「PDCAサイクルを回していくこと」に重きを置いたことも良かったのかもしれない、と振り返る。
「僕は感情を捨て、仕組みだけを提供することを徹底しました。例えば、夏休みであれば、毎朝ホワイトボードにやらなければいけないことに所要時間を加えて渡すなどなるべく具体的に記すようにしていました」
とはいえ、毎回思った通りに進むとは限らない。
中学受験専門塾スタジオキャンパス代表の矢野耕平さんも、「12歳の子どもが取り組むことなので、『PDCAは崩れるもの』という前提を頭に入れておくことも必要」と話す。
「勉強はビジネスと異なり、『こうすればうまくいく』という方程式のない世界。Plan(計画)、Do(実行)の段階で崩れることも少なくありません。大切なのは、バグが発生した時に、パニックに陥ることなくスムーズに対処できるかどうか。『そもそもバグは生じるもの』ということを前提に考えておく必要があります」
■受験を親の「自分ごと」にしない
ゆずぱさんの場合、父親と母親の役割分担も明確にした。
教科問わず、理解が浅い点など勉強のサポート自体はゆずぱさんが週末にまとめて行う。対し、弁当づくりや学校説明会や文化祭の予約、そして受験期の忙しい時期に妹を終日外に連れ出すという役割は母親に委ねた。
「共働きで、子どもと接することができる時間が限られているため、平日は自走してもらい、週末だけ真横について教える、というスタイルを少しずつ確立していきました」