小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(29)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、教育やキャリアのことなど、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、小さい頃からバイオリンやピアノを習ってきた廣津留さんに、子どもの習い事について聞いた。
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Q. 子どもの習い事を親としてはどのようにサポートするのがベストだと思いますか?
A. 褒めることぐらいで十分ではないでしょうか。私の場合、親が背中を押してくれる感じはありましたけど、親からサポートしてもらっているという実感は当時あまりなかったです(実際はかな~り支えてもらっていましたが)。「あなたのためにしてあげている」「こんなにお金をかけている」といった雰囲気が少しでもあったら、一気に習い事が嫌になってしまっていたと思いますね。
習い事も無理に続けさせるより、本人の興味関心に任せるほうがいいと思います。結局、私がピアノではなくてバイオリンを選んだのも、興味があるかないかの違いでした。2歳ぐらいのときにはバレエ教室にも通っていたんですけど、そこまで興味が湧かなくていつの間にか辞めていましたね。でも、子どもの頃に少しでも習ったことに無駄なことは何もないはず。私もバレエをかじっていたから、手先の動きやリズム感、体のやわらかさにはちょっと自信があります。
お子さんが自発的に続けていることはぜひ応援してほしいですね。受験勉強を機に習い事を辞めるケースって多いと思うのですが、受験勉強の時間が足りなくなるからという理由だけで親が辞めさせるのはNG。人間の限界は、挑戦すれば120%にも200%にもなるというのが私の持論なのですが、習い事と勉強を両立させる方法はきっとあります。その方法を見つけるサポートを「さりげなく」してあげるのが一番だと思います。