イラスト:宮野耕治
イラスト:宮野耕治

 筋トレブームでこれから始めようと意気込む人は多いはず。どの程度の頻度でいつから効果が期待できるのか。筑波大学大学院・久野譜也教授に聞いた。

【図解】筋肉だけじゃない!筋トレで得られる効果はこんなに…

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Q:筋肉はどうやって作られる?

A:筋肉に強い負荷を与えることにより、筋線維が損傷しその後再生する作用や、成長ホルモンの分泌などにより筋肥大が生じる。トレーニング後に筋肉痛を感じるのは適切な負荷がかかり、筋肉が肥大するシグナルなのだ。ただし、筋トレは筋肥大のきっかけとなるが、筋肉を肥大させる成長ホルモンの分泌は睡眠時により活性化する。筋肉は筋トレ後の就寝中に成長している。十分な睡眠をとることも筋トレの効果を高めるために必要だ。(久野譜也教授)

Q:筋トレはどの程度やればいい?

A:自宅や職場で自分の体重相当の負荷をかける程度の運動であれば週3~5日、フィットネスクラブで器具を使って強い負荷をかける場合は週2~3日が目安になる。運動初心者のトレーニング開始当初は、3種目を1セットずつなどでもよく、10分以内で済む程度で徐々に実施頻度や負荷を増やしていく。トレーニングを始めた頃はついたくさんやりたくなるかもしれないが、やりすぎはひざや腰を痛めるリスクもある。自宅の筋トレでも最低週2日は休んだほうが効果的だ。

 前述のとおり軽い筋肉痛は筋肥大のシグナルなので、多少の痛みならトレーニングを続けても支障はない。ただし、歩けないほど痛む場合や2日以上痛みが続く場合は筋を痛めている可能性があり、トレーニングは控えるべき。(久野教授)

Q:効果はいつから実感できる?

A:筋トレによる筋力アップ効果は個人差もあるが2週間ぐらいで実感できることもある。筋トレに限らず、運動の効果は貯金できず、3カ月続けても3カ月休めば元の体に戻ってしまう。トレーニングに終わりはなく、高すぎるハードルは失敗のもとになる。始める前に、どうすれば自分の性格や生活スタイルに合う形で無理なく継続できるかを考えよう。体脂肪率や筋肉量を測定できる体組成計などで記録をつけることも、モチベーションになる。(久野教授)

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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