昨季は貯金18から最後は借金2まで失速した楽天。原因は先発投手陣の高齢化だ。9勝の田中将大(今季35歳)、8勝の岸孝之(同39歳)、10勝の則本昂大(同33歳)。ベテランは後半に疲労が蓄積する。だが、日米通算200勝まで残り10勝に迫る田中の今季のモチベーションは高いだろう。抑えの松井裕樹(同28歳、最多セーブ)の存在があるだけに、5勝の早川隆久(同じ25歳)、ドラフト1位の荘司康誠(立大)にかかる期待は大きい。もうひとつの懸案点は大砲不在の打線だろう。メジャー通算130本塁打の新外国人・フランコの長打力、今季2年目のギッテンスにかかる期待は高い。浅村栄斗は86打点、島内宏明77打点と健在。中日から移籍した阿部寿樹も57打点で勝負強い。

 昨季のロッテはチーム盗塁数1位(132個)の機動力を得点に結びつけるチームカラーだったが、監督が交代。盗塁王に輝いた高部瑛斗は故障で出遅れる見通しだが、レギュラー的な働きをした安田尚憲、佐藤都志也、山口航輝、そして藤原恭大、松川虎生らのさらなる成長が望まれる。さらに巨人からポランコ(24本塁打)を獲得。活躍が期待される投手はベテラン・美馬学(10勝)、石川歩(7勝)らだ。投手育成の名伯楽・吉井理人新監督が、9勝の佐々木朗希と、3勝と勝ち星に恵まれなかった小島和哉、ドラフト1位投手の菊地吏玖らをどう育てるのか注目が集まる。

 昨季大混戦だったパ・リーグにおいて、5位から9ゲーム差をつけられた日本ハム。本拠地をエスコンフィールド北海道に移転する。中心打者だった近藤健介の移籍は痛いが、札幌ドーム(約5.8m)よりフェンスが低く(約2.8m)、打線にはアドバンテージとなる。18本塁打の清宮幸太郎(同6年目)、野村佑希(同5年目)、万波中正(同5年目)の「若手クリーンアップ」は実現すれば人気を呼ぶに違いない。昨季11年目で首位打者を獲得した松本剛は「実質2年目のジンクス」に挑む。先発3本柱は10勝の伊藤大海、8勝の上沢直之と加藤貴之。そこに投打二刀流のドラフト1位・矢沢宏太、ドラフト2位の金村尚真、FA人的補償の田中正義が加わった。弱点は昨季、北山亘基が9セーブに終わった「抑え不足」か。

次のページ