GPを支えているのが、キャンパスに設置されている国際観光学研究センター(CTR)だ。専任の外国人教員3人のほかに、連携教員6人も所属し、講義や研究指導を行っている。
観光学部以外にも、経営学や商学、農学、工学、理学、法学、倫理学など専門分野が多彩だ。東京都出身の村松さららさん(2年生)は、もともと理系志向だったが、よりどりみどりな環境に惹かれて和歌山までやってきた。
「高校2年生のオーストラリア留学で、観光に興味を持ちました。和歌山大学は理系の先生もいるので、統計やウェブ制作などの科目も観光の仕事に生かせると思いました」(村松さん)
前出の有吉さんはLIPプログラムの後に心理学を学んだ。
「人の流動はどのような変化で起こるのかLIPの体験を客観的に分析できました」(有吉さん)
和歌山大学を卒業後、大学院に進み、今年から同大学観光実践教育サポートオフィスの特任助教となったのは藤井至さん。旅行好きという理由で入学したが、LIPで農村生活を体験するうちに地域再生学がおもしろくてたまらなくなった。
「過疎化が進む農村でも、人が行き来することで支えられる。これからも先手、先手で研究を続けたい」(藤井さん)
(ライター・柿崎明子)
※AERA 2018年4月23日号より抜粋