今では、外出が多いスタッフを中心に、半数以上の社員が積極的に利用している。
「今や、薬局も店舗で待っているだけの時代ではありません。施設や講演会、医師らとの連携などで地域へ出かけていくことが増えました。オフィスにいられない時間も増えたのですが、LINE WORKSのチャットで普段から同僚と会話をしていると、外にいてもオフィスの空気感や雰囲気も共有できるようになりました」と佐藤さん。社外業務が増えるほど、社内のスムーズな非対面コミュニケーションの重要度も増したという。
「ビジネスのスピードが速くなる中で、取引先や顧客といった社外の人たちとのコミュニケーションの時間をつくるためにも、社内のコミュニケーションの改善が求められています」
と、ワークスモバイルジャパン(東京都渋谷区)執行役員の萩原雅裕さんは話す。
だが、現実には社内コミュニケーションに課題を抱える企業は多い。「HR総研」が昨年8月に企業の人事担当者を対象に行ったウェブアンケートによると、約8割の企業が「難あり」と回答している。
実は最も課題が多いのが、メールだ。アエラネット会員へのアンケートでは、就労者の95%が仕事でメールを利用している。対面だと時間がかかりすぎ、電話だとタイミングの問題があり、重宝されてきたメールだが、「こまやかなやりとりに手間がかかる」と思う人が増えている。
そこで、注目されているのがチャットや情報共有ができる企業向けSNSだ。プライベートでの活用が多いLINEやFacebookの、企業版が今年に入って相次いで正式に提供が始まっている。
LINEは今年2月から、企業向けに「LINE WORKS」を、フェイスブックジャパン(東京都港区)は企業向けに「Workplace」を5月から国内で本格的に開始した。いずれも個人向けと異なり有料で、セキュリティー設定が充実し、見た目や使い勝手は個人向けと近い。(編集部・長倉克枝)
※AERA 2017年10月30日号より抜粋