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セクシャル・ハラスメントは、女性に女らしい行動や態度を強要することと認識している人は多い。実際はそれだけではなく、男性だからという理由で業務を指示することもセクハラに相当する。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う会食自粛が緩和され、アルコールを伴う接待も復活してくるだろう。セクハラはもちろん、アルコール・ハラスメントをしないためには、正しい知識をおさらいしておきたい。ハラスメント対策専門家・山藤祐子さん監修の『トラブル回避のために知っておきたいハラスメント言いかえ事典』(朝日新聞出版)から、セクハラやアルハラにあたらない指示・命令の言葉を紹介する。

【図で確認】「余計なひと言」を好かれるセリフに言い換えてみると

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■「男性のほうが女性よりも力があるんだから、荷物は男性社員が運んでね」と指示するのは絶対NG

「男性(女性)だから~」と性別で仕事を振り分けることは、性別による差別と「男女雇用機会均等法」の差別的取り扱いに該当する可能性があります。

こうした「男らしい・女らしい」行動や態度を強要したり、それにそぐわないことを非難したりすることを一般的にジェンダーハラスメントと呼びます。

OK例は「持てる人は一緒に運んでもらえますか?」です。男性、女性に関係なく、その人のもつ能力で仕事を振り分けたいもの。「できる人ができることをやる」のが、理想的な仕事の姿ではないでしょうか。

■「お茶いれは女性の方が上手だから、〇〇さんお茶いれて!」と指示するのは絶対NG

「お茶は女性がいれるもの」という決めつけは、今や通用しません。性別で役割を振り分けることは「男女雇用機会均等法」が禁ずる、性別を理由とする差別的取り扱いになります。

例えば、同じ契約で雇う女性にはお茶いれをさせ、男性にはやらせないとなれば違法となるわけです。

OK例は「人気のお菓子を買ってきたよ! みんな、ひと息いれよう。お茶はセルフでね」です。理想は各自が好きなタイミングでお茶を楽しめばいいのではないでしょうか。

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アルコール・ハラスメントに注意