レシピ本が売れている。キーワードは「作り置き」「保存」、そして「おしゃれ」。さらにレシピ本は「地球を救うかもしれない」らしい。どういうこと?
9月15日、東京都内で「第3回料理レシピ本大賞 in Japan」が発表された。今年は143点がエントリーし、大賞、準大賞、入賞、お菓子部門大賞など全15作品が受賞した。
ラインアップを見ると目を引くのが、「作り置き」「保存」などの言葉がタイトルに多いこと。3分の1、5作についている。最近のレシピ本のベストセラーで欠かせないキーワードらしい。大賞受賞の『つくおき』は、累計で50万部に届く勢いだ。
●“おしゃれ”な節約レシピ
同賞は協賛書店の書店員60人が1次審査に参加するため、売り場の実感が反映される。有隣堂店売事業部イベント推進課の加藤秀樹さんは話す。
「賞が創設されて3年目ですが、さらに年々、『作り置き』とか『常備菜』といったコンセプトのものが増えています」
加藤さんによれば、最大の背景は「節約志向」だという。
「ただ、かつてのように『節約』を直接的に表現したタイトルはウケません。写真がたくさん載っていて、それもオシャレじゃないと響かない。忙しい毎日でも『ちゃんとしたもの』を『手作りして』食べる。丁寧に暮らしている、という感覚が大切」
「経済的であることは大前提。オシャレ心も満たしたい」。眺めるだけでセンスが磨かれそうな節約レシピ本は、そんなニーズに応えてくれるのだ。
受賞作の中で変わり種として目立ったのは準大賞に選ばれた『もっとおいしく、ながーく安心 食品の保存テク』。本書に料理レシピは登場しないが、野菜、肉、魚など代表的な食材175種の、上手な保存方法や、干す、漬けるなどの加工方法が紹介されている。食材ごとに、辞書のように検索できるので、キッチンで便利に使えそう。