友達の合格情報が気になるのはわからないでもありませんが、友達が合格したからといってその大学にあなたが通えるわけではありません。あなたは、自らの手で自分の進みたい大学の門をこじ開けなければ! 孤独かもしれませんが、もともと人生は、一匹おおかみで生きていく覚悟が必要ですからね。この経験は、のちの人生で必ず役に立ちますから、中途半端な気持ちで過ごさないことです。
親は孤独に勉強をしているわが子を見て思わず「大変そう、かわいそう」と思ってしまいがちですが、世の中の受験生はみんな同じです。そして、勉強だけに集中できるということは、非常に幸せで恵まれたことなのです。受験生は、ひたすら勉強だけできることに、そしてそのような環境を与えてくれた親御さんに感謝しましょう。そして、その感謝を胸に本番に向かってほしい。
もう親にできるのは、心の中で応援してご飯を作ることくらい。心配なので頻繁に「頑張って」と言いたくなるかもしれませんが、それを言うほど無駄なプレッシャーになります。子どもも「そんなに言われてもな~」と思っていますよ。
お母さんは、明るい笑顔で普段と変わらない態度で過ごしてください。お父さんは、おすしやお菓子など、子どもが好きな食べ物を時々買って帰るだけで応援の気持ちは伝えられます。
子どもが勉強しているときには、当然、家族はテレビを我慢。かすかに聞こえてくるテレビの音や家族の笑い声は受験生をより孤独にします。子どもがいないときや受験が終わった後に録画を観ればいいと思いますよ。家族全員がワンチームとなって、受験生を応援する日々を送りましょう。(構成/庄村敦子)
※週刊朝日 2020年2月14日号