佐々木朗希=撮影・遠崎智宏
佐々木朗希=撮影・遠崎智宏
この記事の写真をすべて見る
奥川恭伸=撮影・東川哲也(写真部)
奥川恭伸=撮影・東川哲也(写真部)

 10月17日に都内で開かれるプロ野球の新人選択(ドラフト)会議が迫ってきた。1位指名は従来どおり入札抽選方式で、高校生最速の球速163キロを誇る佐々木朗希(岩手・大船渡高)、完成度は高校ナンバーワンの奥川恭伸(石川・星稜高)の両右腕に指名が集中する可能性が高い。大学ナンバーワン右腕の森下暢仁(明大)、強肩捕手の海野隆司(東海大)ら即戦力組の動向にも注目が集まる。

「佐々木が6、7球団、奥川が4、5球団と予想しています。もしかしたら森下を単独で獲得できる球団があるかもしれない。それほど佐々木、奥川の評価は高く、指名が集中すると思います」
 
 スポーツ紙のアマチュア担当は、1位指名についてこう分析する。
 
 人気ナンバーワンの佐々木は甲子園出場を果たせなかったが、

大谷翔平(大リーグ・エンゼルス)を超える逸材」

 と言われている。これからどう進化するか想像できない末恐ろしい怪物だ。

 190センチの長身から左足を高々と上げる投球フォーム。直球に加え、フォーク、スライダー、チェンジアップの変化球も質が高い。制球力も抜群だ。4月の高校日本代表候補の合宿では、「あいつは別格」と他の選手もあきれるほどだった。

 日本ハムは1位指名を公言。体力面の不安や粗削りな部分もあるため、育成に長けた球団がよいだろう。佐々木本人は、

「12球団OK」

 の方針を打ち出している。「球界の宝」を引き当てる球団はどこだろうか。

 もう一人の目玉として注目される奥川は、準優勝に輝いた今夏の全国選手権大会で自己最速の154キロを記録。3回戦の智弁和歌山戦では延長十四回を投げ抜いて23奪三振と圧巻の投球を見せ、評価を一気に高めた。

 すべての球種が一級品で、フィールディングや牽制などを含めた投手としての総合力は現時点で佐々木より高い。打者との駆け引き、洞察力にも優れ、完成形は菅野智之(巨人)や前田健太(大リーグ・ドジャース)のようなタイプか。プロ1年目から先発ローテーション入りし、2桁勝利も狙える逸材だ。

次のページ
即戦力投手が欲しい球団は明大の森下