※写真はイメージです (Getty Images)
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2019年の模試でも難関大学の志願者が減少傾向 (週刊朝日2019年8月9日号より)
2019年の模試でも難関大学の志願者が減少傾向 (週刊朝日2019年8月9日号より)
大学グループ別志願者数の推移  (週刊朝日2019年8月9日号より)
大学グループ別志願者数の推移  (週刊朝日2019年8月9日号より)

「ここ数年の大学入試は入学定員管理の厳格化が大きなトピックでしたが、2019年春の入試では実態以上に受験生の安全志向が加速。受験生が難関大学を避けて中堅以下の私立大学に集中したことが際立った特徴です」

【表を見る】2019年の模試でも難関大学の志願者が減少傾向?

 ベネッセコーポレーション学校カンパニー教育情報センター長の渡邉慧信さんは、19年の受験戦線をこう振り返る。

 それについて分析する前に、19年入試全体の状況を振り返っておきたい。

 18歳人口の減少が続いている中で、現役の大学志願者の実人数も前年比で微減したとみられる。河合塾の調べでは、国公立大学は志願者数も合格者数も横ばいだ。しかし、19年の私立大学志願者数は、前年比106%、18年も同107%だった。

 これは、不合格を恐れて出願校数を増やす「安全志向」が働いたためとみられる。インターネットでの出願や、同一大学の複数学部を受験する際の受験料の割引制度など、併願しやすい制度が普及してきたことも後押ししているようだ。

 一方、合格者数は、18年の前年比96%から103%に増加している。全体の合格倍率は前年の4.1倍から4.2倍の微増におさまっている。

 また18年に比べて、最初に行われる一期(前期)の入試よりも、後で実施される二期(後期)の合格者が3割以上増加している。私立大学の合格者がこのように変動しているのは、すべて渡邉さんが指摘した「入学定員管理の厳格化」がもたらした影響と考えられる。

 入学定員管理の厳格化とは、都市部の私立大学に学生が集中するのを段階的に抑制する措置のことだ。

 これまで、都市部の私立大学では、合格後に入学を辞退する人を見込んで、入学定員を上回る合格者を出してきた。そこで文部科学省は、入学定員に対して実際に入学する学生数の割合(定員充足率)が高すぎる場合、大学への助成金をカットするペナルティーを科した。16年には、ペナルティーが生じる基準を厳格化。たとえば収容定員4千人以上8千人未満の大学では、その基準となる定員充足率が1.3倍以上から1.27倍以上となった。基準が段階的に厳しくなり、大学側も合格者を絞り込んだ結果、必然的に門戸が狭くなり、受験戦線が難関化したのだ。

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