武蔵大のペドロ・フランコ助教による「Statistics1 and Mathematics1」(統計と数学)の授業。少人数だから教員との距離が近い(撮影・片山菜緒子)
武蔵大のペドロ・フランコ助教による「Statistics1 and Mathematics1」(統計と数学)の授業。少人数だから教員との距離が近い(撮影・片山菜緒子)
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東郷賢・武蔵大経済学部教授 (撮影/写真部・片山菜緒子)
東郷賢・武蔵大経済学部教授 (撮影/写真部・片山菜緒子)

 年が明けるといよいよ到来する大学入試シーズン。本格的な受験勉強に取り組んでいる時期であろうが、偏差値表とにらめっこしながら志望校を選ぶのではない学生たちもいる。「脱偏差値」をキーワードに、新しい大学選びを考えてみたい。

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「PDP(パラレル・ディグリー・プログラム)を説明する動画を見て、ロンドン大の学位を取得できることを知り、『武蔵大で学びたい!』と思いました。英語で経済の基礎を学ぶ毎日が楽しいです」

 笑顔で語るのは、同大経済学部経済学科2年の渡戸佳乃(わたんどかの)さん。親は合格していた慶應義塾大総合政策学部への進学を勧めたが、強い意志で押し切った。

 2015年に日本で初めて導入したPDPについてPDP教育センターの東郷賢教授はこう説明する。

「6年ほど前にロンドン大の方と会う機会がありました。本学のキャンパスで世界レベルの経済学を学び、ロンドン大の学位も取得できるPDPに魅力を感じ、2年間の準備期間を経て始めました」

 ロンドン大は18のカレッジと九つの研究機関から構成される世界トップレベルの総合大学。同大が世界中の学生を同一基準で評価するため、その学位や成績は世界で通用する。授業内容の質はロンドン大とLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)が管理。武蔵大の担当教員は教授法についてロンドン大の指導を受けている。

「当初は4月に語学の成績などで選考していましたが、保護者から『PDPに入れるのなら入学させたい』との声が寄せられ、17年度入試からPDP履修を確約する入試を始めました」(東郷教授)

 武蔵大の卒業単位は124単位だが、経済学科でPDPを履修する場合は130単位で、88単位が英語で学ぶロンドン大の科目になる。ロンドン大の学位取得の流れはこうだ。

 1年次の4~5月に英語を強化する授業を受け、6~7月にフィリピン・セブ島でマンツーマンを中心とした英語研修に参加。その後、英語能力テストIELTSでスコア5.5以上を取得して9月からロンドン大の基礎教育プログラムへ。期末試験合格後、2年次の9月から専門教育プログラムの履修が可能だ。毎年の試験に合格し、専門教育プログラムの12科目を履修し、武蔵大の学位取得後の5月の試験に合格すれば、晴れてロンドン大の経済経営学士号を取得できる。

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