「本の感想を書くのは大人でも難しい。読書感想文は子どもにとってかなりハードルが高いんです。でも私がおもしろかったと話していると、子どもは課題図書に興味を持ちます。そうやってハードルを下げて、読書感想文も早めに終わらせてしまいます」

 学校の宿題が片付いたら、次はいよいよ苦手科目・分野の克服だ。ここでは、欲張らないことが大事。やるべき分野を二つくらいに絞り、夏休み明けまでに完璧にしておくのがいい。

「あれこれやると子どもは頭の中が散らかって、どれも中途半端になる恐れがあります。一つでも完璧にできたら子どもは自信を持つことができる。2学期から丁寧に見直さないといけないことが一つ減ると考えたら、大きな成果ですよ」

 小学生がつまずきがちな算数は、応用問題に手を出すのではなく、計算を徹底的に見直そう。算数は積み重ねで難しくなっていく。まず計算をしっかりできるようになるのが先決だ。

 苦手科目・分野を克服する際には、無駄に思えても、同じことを繰り返しやらせるといい。小数の割り算など苦手な計算問題を集めたプリントを1日1枚ずつやらせる場合、内容は毎日同じものでいい。

「子どもは、昨日やったプリントの30問すべてを覚えてはいません。苦手な問題は見ただけで子どもはびくびくしてしまいます。同じ内容で見直しすることで、見慣れていきます」

 佐藤さんによると、この見慣れることが子どもには重要で、学力や知識の定着につながるという。例えば、子どもは“見慣れていない”小数や分数の計算に苦手意識を持つ。それでも同じ問題を解き続けると、「これは昨日やったな」と心の抵抗がなくなる。少しずつできるようになり、最終的に30問をさらさらと解けるようになる。

「それが『定着する』ということです。1日ではできませんよね。学校があるときは子どもは心の余裕がないので、夏休みの期間を利用してほしいです」

 子の実質的な勉強時間を確保するうえで、親の計画と準備は欠かせない。プリントは夏休みの日数分の40枚を用意し、それをやる日付を記入しておく。毎日、子どもに「はい、今日の分」と出すだけにしておけば、「今日は(親の)用事があってやれなかった」という失敗がなくなる。

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