彼女はアメリカでの生活が長いものの、生まれ育ちは日本なので日本語での取材が可能ということだった。

 キムラ君というカメラマンとふたりで某外資系金融機関を訪ねると、大輪のバラが咲いたようなゴージャスな笑顔で彼女が出迎えてくれた。

「本日はご取材ありがとうございます。私のボスも大変に喜んでいまして、ご挨拶をしたいと申しておりますの。よろしいかしら」

 ボス? 聞いてませんよ。

「少しお待ちくださいね」

 天井の高い重厚な雰囲気のロビーで待っていると、奥の方からものすごく背の高い、そしてでっぷりと太った髭面の白人男性が悠然と歩いてきた。

「あれがボスか」

 心臓がバクバクし始めた。

「◯◯◯です」

 彼女が紹介してくれたが、名前が聞き取れない。ジョンだかジェフだかわからないが、ボスが何か言っている。こっちも何か言わなければ……。

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