外国人が苦手だ(※写真はイメージ)
外国人が苦手だ(※写真はイメージ)
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 SNSで「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれるノンフィクション作家・山田清機の『週刊朝日』連載、『大センセイの大魂嘆(だいこんたん)!』。今回のテーマは「きょとん」

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 外国人が苦手だ。理由は、英語ができないからである。

 先日、品川駅で新幹線のきっぷを買おうとしていたら、隣の券売機の前で思案投首している若い外国人カップルがいた。台湾か中国からの観光客らしい。

「お・も・て・な・し」

 欧米人だと反射的に目を合わせないようにしてしまう大センセイだが、アジア系の人だとなんとなくコミュニケーションができるような気がしてしまう。

 目を合わせてしまった。男性の方が、待ってましたとばかり話しかけてきた。英語だ。しかも、こちらと同じぐらいわけのわかんない英語である。

「キョートステイション」

「ああ、キョートね」

「キョートステイション?」

「ああ、キョート行きたいのね。チケット?」

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山田清機

山田清機

山田清機(やまだ・せいき)/ノンフィクション作家。1963年生まれ。早稲田大学卒業。鉄鋼メーカー、出版社勤務を経て独立。著書に『東京タクシードライバー』(第13回新潮ドキュメント賞候補)、『東京湾岸畸人伝』。SNSでは「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれている

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