角田光代(かくた・みつよ)(左)/1967年、神奈川県生まれ。90年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、デビュー。2005年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、12年『かなたの子』で泉鏡花文学賞、14 年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞。他に『キッドナップ・ツアー』『坂の途中の家』『拳の先』『月夜の散歩』、ネコのトトと暮らす日々をつづった『今日も一日きみを見てた』など。河野丈洋(こうの・たけひろ)/1978年、埼玉県生まれ。2001年にロックバンド「GOING UNDER GROUND」のドラマーとしてデビュー。06年に初の日本武道館公演を行う。09年からソロ活動を開始。松たか子、藤井フミヤらに楽曲を提供。15年にバンドを脱退。アーティストヘの楽曲提供、ドラマ、映画、演劇などの音楽の作曲、演奏を行う。近作はNHKのドラマ 「大江戸ロボコン」など。ギター、ピアノも演奏するマルチプレーヤー。(撮影/写真部・小原雄輝)
角田光代(かくた・みつよ)(左)/1967年、神奈川県生まれ。90年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、デビュー。2005年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、12年『かなたの子』で泉鏡花文学賞、14 年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞。他に『キッドナップ・ツアー』『坂の途中の家』『拳の先』『月夜の散歩』、ネコのトトと暮らす日々をつづった『今日も一日きみを見てた』など。
河野丈洋(こうの・たけひろ)/1978年、埼玉県生まれ。2001年にロックバンド「GOING UNDER GROUND」のドラマーとしてデビュー。06年に初の日本武道館公演を行う。09年からソロ活動を開始。松たか子、藤井フミヤらに楽曲を提供。15年にバンドを脱退。アーティストヘの楽曲提供、ドラマ、映画、演劇などの音楽の作曲、演奏を行う。近作はNHKのドラマ 「大江戸ロボコン」など。ギター、ピアノも演奏するマルチプレーヤー。(撮影/写真部・小原雄輝)
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 ミュージシャンの夫・河野丈洋さんはドラマや演劇に音楽をつける劇伴の仕事に打ち込み、作家の妻・角田光代さんは小説やエッセーに筆をふるう。創作活動に励み仕事に対する姿勢が似ている二人の日常とは?

*  *  *

妻:仕事場は家から歩いて15分くらい離れたところにあります。1階が音楽、2階が執筆の部屋になっています。私は朝8時か9時に行って、終わりは夕方5時と決めていて、4時45分には片付けを始めます。

夫:結婚した当初は一緒に出勤していたんですけど、僕がすごい夜型なんですよ。朝型に切り替えてみようと思って1年ほど頑張っていましたが、ちょっとしたことで病気をするようになり、夜中のほうが集中できることもあって、無理するのはやめました。

妻:だからお互いの生活時間はバラバラ。丈くんのことはものすごく尊敬しています。自分にはできないこと、わからないことをやっているので、何でこんなことができるのか、すごいなーと思いますね。ただ、仕事になると部屋にこもって出てこないんです。

夫:僕はバンドをやめて、劇伴の仕事に入ってまだ3年ぐらい。ツイッターなどで先輩の作家さんの活動を見ていると、やはり夜中の3時、4時に仕事をしているし、みんな仕事場にこもってる。とくに僕の筆が遅いわけではなく、そうしないと終わらない仕事なんだなと思っています。

妻:1カ月ぐらいこもることが多いんですが、この前は3カ月、仕事部屋からほぼ出てきませんでした。その間に私が姿を見たのは3回ぐらいですね。

夫:二つのお仕事がかぶってしまって、ずっと曲を書いてたんです。

妻:その間は食事も別々でお互い一人暮らし。

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