子どもがいなかったので、安否確認と生活相談サービス付きの賃貸住宅、サ高住を選んだ。家賃は年金収入で払える水準。ただ、介護が必要になると、居宅介護支援事業所と契約して介護サービスを使うことになる。いつまでも自立して暮らせるよう、ウォーキングと体操を毎朝欠かさないという。
移住先で暮らし始めたが、予期せぬことで再び住み替えに。こんなケースが後を絶たない。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんは、こう指摘する。
「今の高齢者は持ち家が多く、大半の方は自宅で老後を過ごそうと考えます。でも、子どもがいなかったり、離れて暮らしていたりすれば、介護をだれかに頼る時期が訪れる。そのときにどうしたいかで、選択肢が変わってきます」
いくつか気をつけたいポイントがある。
介護付き有料老人ホームを最初から選べば、要介護度が重くなっても住み替えが不要と思いがちだが、入居時の覚悟が必要になる。
「要支援1~2や要介護1~2のうちに介護付き有料老人ホームに入ると、周りは要介護度が重い方たちばかりで、違和感を感じるかもしれません。要介護度が重くなった際に介護型の居住スペースに移れる住宅型・介護型併設のホームを選んだり、週末だけ自宅に戻るセカンドハウスのような使い方をしたり。そういう選択肢もあります」(太田さん)