人生の最期をどこで迎えるか。いずれ介護が必要な体となれば、自宅に住み続けるか、高齢者向け施設への移住かの判断を迫られる。そうなってから慌てるのでは遅い。資金、趣味、持病、生活習慣など、自らの暮らしの足元をもう一度見直して考えてみませんか。
「まさか、こんな年をとってから、また引っ越しをするとは思わなかった」
そう語るのは、東京都内のサービス付き高齢者住宅(サ高住)に暮らす女性(70)。
都内の持ち家に住んでいたが、夫の定年後に売却、東北に終のすみかを探して移住した。夫婦で田舎暮らしを始めたが、約2年前に“再住み替え”を迫られた。夫が他界し、女性はひとりぼっちになったからだ。
「東北の大きな家にひとりでいても仕方ない。東京にいる友達との付き合いがまだあったので、元気なうちに戻ろうと思ったのです」と女性は振り返る。