5~6カ所くらいの施設を見学してから決めるのがおすすめ。ただ、持病によっては入居できなかったり、要介護度が重くなれば退去を迫られたりする施設もある。面談で聞いておこう。
入居を考える際の最も難しい判断は「夫婦で移り住む」か「2人の間は自宅で過ごし、どちらかが他界してから移る」か。夫婦で住めば、入居金などが倍になるが、問題はお金だけではない。
「入居する部屋はたいてい自宅より狭いので顔を合わせる時間が長くなり、夫婦げんかが絶えなくなることもあります。また、“老老介護”が始まると逃げ場がありません。どのタイミングで入るかを話し合っておくべきです」(太田さん)
千葉県内の有料老人ホーム(住宅型)で暮らす男性(89)は、妻(81)と一緒に移住。自宅を売り、約6千万円の入居金を払った。施設に入って20年だが、けんかはほぼゼロだ。
男性は「私たちは子どもがいないので、施設か在宅かを元気なうちに決断しました。入居金は割高でしたが、介護が必要になれば、介護サービスを受けられる部屋に移れて安心。20年間一緒に住み続ける秘訣? 部屋にいる時間が長いので趣味を見つけることだね。夫婦別々の」と笑う。