顔面の片側に強い痛みが起きる三叉神経痛の治療には、ビタミンB剤などが用いられています。明確なエビデンスはありませんが、経験的に使われています。
【整形外科】
治療の柱は手術やリハビリテーション。骨粗鬆(こつそしょう)症を除けば、炎症をとったり、痛みを抑えたりするときに薬を使います。消炎鎮痛薬の有効性を比較した臨床研究は少なく、医師の経験で処方する例が多いように思います。
【婦人科】
更年期障害の薬物治療ではいくつかの臨床研究が実施されています。エビデンスレベルが☆☆なのは、症状が多彩であり、薬効の評価がしにくいという点があります。医師によって、治療方針が大きく異なる可能性が高いです。
【がん】
がんの薬物治療は循環器科と同様に、EBMが最も浸透した分野。どの抗がん剤をどのスケジュールで使えばよいかなどが常に研究され、論文がアップデートされています。医師と患者さんが最新のエビデンスに基づいて治療を行う考えを共有することが望まれます。
※週刊朝日 2016年12月9日号