2019年も残すところあとわずか。正月は実家に帰省するという方も多いだろう。近年は、夫と妻、どちらの実家に帰省するかで意見が分かれることもあるようだ。
結婚情報サイトの「マイナビウエディング」が2014年、20~50代の既婚男女308人に対して行ったアンケートによると、年末年始に実家に帰省すると答えたのは52.4%と約半数だった。そのうち、帰省先は「両方の実家」が49.7%、「妻の実家」が25.5%、「夫の実家」が23.0%だった。妻と夫はほぼ同じ割合のようだ。
恋人・夫婦仲相談所の三松真由美さんによると、「もめ事が起こる確率は夫方の実家に帰省したケースのほうが圧倒的に多い」という。三松さんに寄せられた相談内容をもとに、解説してもらった。
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■ヴィトンのバックをきっかけに嫁姑バトルが勃発
都内に住む美咲さん(仮名、30代)は、正月を夫の実家で過ごしていた。たまに嫌みを言ってくる姑のことは苦手だったが、「長男が帰ってこないと世間体が悪い」という夫の両親の要望で、お盆と正月には必ず帰省していたのだ。
あるとき、美咲さんは舅から買い物に誘われた。
「出かけよう。車を出してあげる」
姑と舅の関係は、ほとんど口を利かないほどに冷え切っていた。その姑は、「家事はすべて任せる」と掃除や炊事などを美咲さんに丸投げしていた。夕食の買い出しが必要だったため、美咲さんは舅と出かけることにした。夫は地元の友人と集まるということで、意図せず2人きりでの外出になった。
近くの駅前デパートに着くと、舅は美咲さんをブランドコーナーに連れ出した。
「大人なんだから、安物のバックじゃなくてちゃんとしたものを買ってあげるよ」
そういって手渡されたのは、10万もするルイ・ヴィトンのバック。さすがにまずいと思った美咲さんだったが、欲しい気持ちもあり、断れなかった。
後ろめたさを感じながら実家に戻り、バックを夫にみせた。