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42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から2年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は「女優にとってのBGM」についてと、「ウルトラソウル」の破壊力について考察する。
【「音楽」は「匂い」と似ている? 唐橋充さんのイラストはこちら】
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朝ドラ「スカーレット」の撮影が始まった。
京都に滞在しての撮影のため、毎週新幹線で往復だ。
撮影所近くやホテル周辺のお店で食事をする機会が増えたのだが、最近チョイスしたお店がことごとくBGM強めだった。
90年代ヒットメドレーをかなりの音量で流す蕎麦屋に、アニソンやポップスをランダムに流すラーメン屋。完全に和風な造りの、座敷のあるマレーシア料理屋では、マレーシアの歌手の曲なのか、かなり歌い上げる系の、日本で言う歌謡曲のような曲が強めに延々と。ビブラートをきかせてねっとりと歌い上げる声が耳にこびりついてきて、ナシゴレンの味が濃くなった気がした。
こう見えて私は、普段から音楽に対しての感受性を尖らせている。
どう尖らせているかというと、「あまり聴かない」ことで尖らせているのだ。
仕事用に携帯のアプリには、シーンに合わせた曲をチョイスしてフォルダ分けしている。