プロ野球が開幕して、およそ1カ月が経過した。すでにセ・パ両リーグ合わせ350万人を超える野球ファンがスタジアムに足を運んでいる。各球団、毎年、新たなファン獲得のため、さまざまな企画を実施しているが、今季は、あっと驚くような斬新なアイデアが盛り込まれた新席種が登場しているようだ。いくつか紹介しよう。
【写真】バスタベリアでの観戦の様子/DeNAファン必見!横浜スタジアムの新名所はこちら
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まず、度肝を抜かれたのが広島カープの本拠地「マツダスタジアム」に設置された「バスタベリア」だ。
名前を聞いただけではイメージしづらいが「バスタベリア」とは、バスタブに入って野球観戦できるというこれまでにないユニークな新席種。バックスクリーン右に全6箇所設置されており、価格は1箇所定員2名で7000円だ。球団公式サイトによると、野球を見ながら<お風呂に入っているときのあの安心感に包まれた気分を味わえる>のが魅力だという。しかし、実際、お湯は張られてはいない。はたから見ると、とても異様な光景が広がっているが…利用したファンからは大好評だという。
広島カープは、これまでにも寝ながら野球を見る「寝ソベリア」、無料で野球を見る「ただ見エリア」など、ユニークな観戦方法を提案してきた。
なぜバスタブだったのだろうか?考案者に話を聞いた。
「昨年、関東で開催されていた<バスタブに入って映画を見る>というイベントがヒントになりました。バスタブで映画を楽しめるなら、野球観戦も面白いかもと思ったんです。実際に使っているバスタブは市販で売られているものです。長時間座ってもお尻や腰が痛くないように、ビーズクッションを敷き詰めているので、お客さまからは、意外と座りやすく、快適だとご好評いただいています。親子連れ、友達同士、カップルなど、幅広い層にご利用していただいています。通常のお風呂と同じように、ちゃんと排水口もついているので、もし途中で雨が降っても安心ですよ」
近年、広島カープ戦の入場チケットは、入手困難になっており、バスタベリアも例外ではない。開幕して間もないが、すでに今シーズン分のチケットは完売しているという。バスタベリア設置前は、SNSなどで「こんな席いらないから通常の席をもっと増やしてほしい」「まずはチケット問題だろ」などと、一部のファンの間では否定的な声も少なくなかったが、ふたをあけてみると、まさかの完売御礼という結果に。SNSの反応も設置前と比べ肯定的な意見が増えている。
巨人の本拠地である東京ドームも今季から新席種が登場した。その名も「パーティールームNZK」。
今季、東京ドームの外野フェンスに突如、違和感のある横長ののぞき穴ができていた。球場に足を運んだり、テレビ中継などを見ていて気づいた方も多いかもしれない。そののぞき穴の奥に広がる空間こそ、「パーティールームNZK」だ。