「計測データも参考になるし沿道も慣れている。警備計画も立てやすい。準備期間が短い中ではそれがベターではないでしょうか」

 札幌ドームを発着点にする案が出ているが、そこから具体的にどのようなルートが想定されるだろう。

「一つは36号線を豊平橋近くまで進んで、北海道マラソンのコースの7キロ過ぎで合流するルートです。もう一つは、地下鉄の美園駅付近で左折して環状通に入り、平岸通につなげる。そこは北海道マラソンの5キロ過ぎ地点なので、もっと早く合流ができます」

 一方、市民や観光関係者からは札幌の魅力をアピールしたいとの声もあがる。札幌ドームからは「クラーク博士像」がある羊ケ丘展望台が近い。北海道マラソンでも近くを走るテレビ塔や時計台、すすきのなどに加え、72年札幌五輪のレガシー、大倉山ジャンプ競技場を望むルートへの期待もある。

 87年に始まった北海道マラソンは、日本国内で唯一、夏に行われるフルマラソン大会。過去に有森裕子さんの復活優勝などの名レースがあり、東京五輪マラソン女子代表の前田穂南(天満屋)と鈴木亜由子(日本郵政グループ)も優勝経験者だ。

「われわれもNPOとしてできることがあれば手伝えればと思っています」(小山理事)

(編集部・小柳暁子)

AERA 2019年11月4日号より抜粋