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 2013年の「国民生活基礎調査」で、自覚症状がある病気やケガのうち、腰痛を訴える人は男性でトップ、女性では肩こりに続き2位。そのなかには、意外なところに原因があるケースも。

 ポピュラーな病気だが、東京慈恵会医科大学整形外科の曽雌(そし)茂准教授は、「慢性化している腰痛の8割は原因不明」と話す。

「残りの2割は筋肉や骨、椎間板、神経のどこかに原因が見つかりますが、検査をしても原因が見つからないことが多い」

 とはいえ、腰痛の中にも気をつけたい痛みはある。安静にしていても、どのような姿勢でも痛みが続く場合だ。がんや感染症の可能性も考えられる。

 腰や背骨から発生するがんは多くないが、内臓のがんが背骨に転移することはまれではない。特にがんが背骨へ転移し、腰が痛むときは、病状が深刻化していることが多い。

「がん以外の病気では、腎臓病や尿管結石なども考えられます。内臓の中でも背中に近い位置にある臓器に異常があると腰が痛むことがあるのです」

 整形外科の病気以外で起こる腰痛は、痛みだけでなく微熱や体重の減少、全身がだるいなど、他の症状も伴うことが多い。自覚しやすい症状なので、いつもと違う腰痛のときは内科で調べてもらうことが大切だ。

AERA 2015年3月23日号より抜粋