「年上の人と付き合おう」帯津医師が実感した「先輩のありがたさ」

ナイス・エイジングのすすめ

帯津良一

2019/09/16 07:00

 五木さんは文壇でも酒豪でならしていたはず。そんなに旨いならもっと飲めばいいのに、なぜこんな少量の酒と思って、気づきました。論語の「七十にして、心の欲する所に従えども矩(のり)を踰(こ)えず」なのです。五木さんはその境地に入られているのです。私など2合の酒を飲み干して、さらにおかわりが欲しくなる始末です。4歳の違いは大きいと思いました。

 年上の人と付き合うと自分はまだまだだと学ぶことができます。それだけでなく、心の安らぎを得ることもできます。

 先日、5歳ほど年上の太極拳の師範とお会いしました。お弟子さんたちの前で二人で演舞をしたのです。太極拳で大事なのは流れるようなダイナミズムです。そのつもりで舞うと、私の方が早くなってしまうのです。同じ向きであるはずが、時には向かい合ってしまうことも。ところが、師範の一挙手一投足からは終始、優しさが溢れ出ていました。それを感じて、私よりも一歩も二歩も先を歩む先輩のありがたさが心に響きました。まさに後輩冥利です。

週刊朝日  2019年9月20日号

帯津良一

帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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