テイスティングに困らない!? 「香り」と「味覚」でワインの楽しみ方が倍増する方法 (3/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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テイスティングに困らない!? 「香り」と「味覚」でワインの楽しみ方が倍増する方法

連載「ワインは毒か、それとも薬か」

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岩田健太郎週刊朝日#ヘルス#ライフ
岩田健太郎(いわた・けんたろう)/1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現島根大学)卒業。神戸大学医学研究科感染治療学分野教授、神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長。沖縄、米国、中国などでの勤務を経て現職。専門は感染症など。微生物から派生して発酵、さらにはワインへ、というのはただの言い訳なワイン・ラバー。日本ソムリエ協会認定シニア・ワインエキスパート。共著に『もやしもんと感染症屋の気になる菌辞典』など

岩田健太郎(いわた・けんたろう)/1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現島根大学)卒業。神戸大学医学研究科感染治療学分野教授、神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長。沖縄、米国、中国などでの勤務を経て現職。専門は感染症など。微生物から派生して発酵、さらにはワインへ、というのはただの言い訳なワイン・ラバー。日本ソムリエ協会認定シニア・ワインエキスパート。共著に『もやしもんと感染症屋の気になる菌辞典』など

一般的に、辛いワインというのは存在しない。辛口ワインという言葉はあるけれど、あれは「甘くない」という意味だ(写真:getty images)

一般的に、辛いワインというのは存在しない。辛口ワインという言葉はあるけれど、あれは「甘くない」という意味だ(写真:getty images)

 日本では酒飲みは甘いものが苦手、という定説があり(あれってどうしてなんでしょうね)、ワインも甘口ワインはだめ、という低評価がなされている。しかし、前述のように甘口のワインでも非常に質の高いワインは多い。甘口のワインも楽しめるようになれば、ワインの世界はさらに広がると思う。すでに述べたように、ワイン造りではブドウの糖分からアルコールを造っている。そのアルコール発酵を途中で止めると糖の残り分ができる(残糖)。この糖の量を調整することで甘みを調整できるというわけだ。貴腐ワインやアイスワインはそれぞれ菌や冷凍によって果実を濃縮させ、甘みを高める効果を利用している。
  
 次に酸味だ。ワインのpHは2.9~3.6と酸性に傾いている。酸味が多いのがワインの特徴だ。 果物は酸味が多い。りんご、みかん、そしてブドウ。酸味は果物の特徴であり、米で造る日本酒などには見られない酸味がワインでは感じられる。ワインに含まれている酸は、ブドウ由来の酒石酸、リンゴ酸、クエン酸だ。さらに、発酵によって作られるコハク酸や乳酸、酪酸などが加わる。また、上述の貴腐ワインにはクルコン酸やガラクチュロン酸が含まれている。甘い貴腐ワインでは、熟成中にガラクチュロン酸がさらに酸化されて粘液酸となる。これがカルシウム塩となり、粘液酸カルシウムという白色の結晶になる。同じように酒石酸はカリウム塩となって酒石酸カリウムという結晶ができる。
 
 ちなみに、なんとか塩(えん)というのは、塩基と酸が中和反応(酸塩基反応)してできるものだ。粘液酸とカルシウム(塩基)だとカルシウム塩、酒石酸とカリウム(塩基)だとカリウム塩だ。塩(えん)は、塩(しお)=塩化ナトリウムとはまったく関係ない。そういうことだ。後述する酸と酸化の違いといい、日本語の化学用語はややこしくてわかりにくいことがある。ちなみに、塩化ナトリウム(いわゆる塩<しお>)はNaClでナトリウム塩となる。ほんま、ややこしい。
  


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