すぎやま・なつこ/1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など
すぎやま・なつこ/1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など
中田敦彦さん(c)朝日新聞社
中田敦彦さん(c)朝日新聞社

 うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や3歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。

【写真】「良い夫をやめる」発言に賛否あった中田敦彦さん

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 2児の子どもをもつ、芸人「オリエンタルラジオ」の中田敦彦氏が、「良い夫をやめました」と宣言したことが話題となりました。発言に対しては賛否両論あったそうですが、子どもをもつ妻である立場であったら、きっと皆「否」と唱えるんじゃないかと思います。

 自分が夫からそんなこと言われたら、「じゃあ私も良い妻をやめる」と言いたくなりませんか? お互いがそれを実行した時点で、待っているのは「離婚」という未来しかないでしょうけれど……。

■今までの行為を「全て演技でした」と否定したようなもの

 中田氏は、「良い夫をやめる」発言以前には、「仕事より育児のほうが大変」と言ったり、インスタグラムで何度も「今日の妻も可愛い」というハッシュタグをつけたりしていました。今回の言葉は、そうした行為を「全て演技でした」と否定したようなものです。たとえ全てではなかったとしても、どれが本音でどれが嘘かなんて、本人に一つ一つ聞かなくてはわかりようがありません。妻のショックは相当なものでしょう。しかも自分の中で勝手に思ったならともかく、不特定多数の、大勢の人が読むコラムという場所で言葉に残してしまったのは、本当に思いやりがないとしか思えませんでした。

 彼の宣言に「賛」を唱えた人たちの言葉に、「彼は趣味の自転車をやめた」「たばこもやめた」「そんないい夫に妻はなんの不満があるのか」、というものがありました。しかし子どもを生んだ経験がある女性からしてみれば、「その程度で何を言っているの?」と思うでしょう。女性は妊娠してから、母乳育児であれば、子どもが生後1年以上になる卒乳のときまでずっと、たばこどころか風邪薬を飲むことさえとがめられるのです。自分の体内の物質が直接子どもの栄養になるので、害があるものは控えさせられるというわけです。

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杉山奈津子

杉山奈津子

杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など。ツイッターのアカウントは@suginat

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世間は「妻としてどうなのか?」