定員割れに加え、大学に持参するのは携帯電話だけの学生たち。そんなどん底から出口である就職の改革に着手した。手始めに「遅刻欠席3回で就職支援打ち切り」などのスパルタ式マナー・身だしなみ講座。そして常に意識したのが、学生を元気にすること。

「褒めて、褒めて自信をつける。そんな学生が大手企業に挑戦して内定をもらってくると、少女漫画の瞳のように目がキラキラしてくるんですよ」

 改革は学生だけでは終わらない。「大事なのは親の意識改革です。自身の学生時代の経験による時代錯誤の就活アドバイスは、子どもをミスリードします」

 改革当初は入学式典後、保護者を4時間あまり拘束し、「新入生の保護者のための就職ガイダンス」と題して、就活の現状と親がとるべき行動を説いた。同時に、勉強や就職のための講座費用や1年生の5月から始まる3年間の公務員・税理士コースの費用を出してやって、と訴えた。

 改革が実を結び、昨年の実就職率は96.7%。入試の倍率も6倍の人気ぶりだ。

 北海道内で社長を最も多く送り出しているのが北海学園大だ。帝国データバンクの分析によれば、12年に首位日本大と入れ替わり、以来5年連続堂々の1位。ちなみに16年度の社長数は879人だ。道内の企業事情に詳しい人物によれば、地元企業の後継者が多いことも背景にはあるようだ。

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