大学全体の志願者数も4年連続1位と人気はうなぎのぼり。ブランド力も偏差値もグンと上げ、これまで紹介した大学の先輩格といえるのが近畿大だ。16年に新設した国際学部は500人の学生全員を入学からわずか半年で1年間留学させる常識破りで話題をさらった。語学学校と連携しての語学教育に力を入れ、1期生のTOEICの平均スコアは留学前後で330点上がり、平均700点。

 学生への目配りはきめ細かい。OBのつんく♂がプロデュースして話題となった派手な入学式も近大名物だ。広報室長の加藤公代さんがこう話す。

「志望校に落ちて、不本意入学をした新入生のモチベーションをあげるために、全学で挑む入学式は約15年前から続けています」

 入学後の指導も丁寧だ。友達づくりを目的に1年全員に基礎ゼミを必修化。基礎ゼミでは、新聞の読み方や図書館の活用方法など学びの基礎を教える。さらに力を入れるのが中退者を減らす環境整備だ。保護者ポータルサイトが好評で、ネット上でわが子の出欠を確認できる。さらに同じ講義を3回以上欠席するとゼミの担当教員から連絡が入る。そうした成果もあり、15年の中退率は0.9%と、08年の3.2%から激減している。

(本誌・永井貴子)

週刊朝日 2017年12月8日号より抜粋