田中容疑者は「やんちゃ」の道を進んでいく。事務所が禁止しているのにバーを経営し、タトゥーも入れた。複数の女性との交際もうわさされ、独自にラップのライブをやったこともあったようだ。事務所は「度重なるルール違反行為があった」として、13年に契約を解除した。

 一方で、東日本大震災のときには被災地支援のため現地に入り、地震の時にも「やらない善よりやる偽善」と支援を訴えていた。仕事関係では、誰にでも自ら頭を下げる礼儀正しさがあったという。一緒に仕事をした関係者は「すごくいいやつだ」と評価していた。両親や兄弟との仲も良くて、ペットも大好きだった。

 好青年の側面も見える彼が大麻を持っていたとすれば、何があったのか。

 契約を解除されてからは、主にロックバンド・INKTのボーカルとして活動。オフィシャルブログでは全身のタトゥーを見せながら、音楽の仲間とポーズをとる写真が掲載されている。いまもツアーの最中だったが、今回の逮捕を受けて中止となってしまった。

 力を入れていたバンド活動だが、CDの販売やライブの動員は伸び悩んでいたようだ。ツイッターでは新しいアルバム「Square」を連日PR。逮捕後の5月25日も自動更新なのか、〈お昼からこんな過激な動画を!? 午後も頑張りましょう〉とツイートし、ミュージックビデオをアップしていた。

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