そんな学生たちに、堀口さんは徹底した就職支援活動を始めた。就活で必要となる身だしなみからビジネスマナー、面接での受け答えなどを教える「24時間耐久就職合宿」は、“スパルタ”と呼ばれるほど厳しい。就職支援はどこの大学でも実施しているが、金沢星稜大は徹底しているのだ。

「就活はマラソンではなく、短期決戦。とにかく、数多くの企業にエントリーしたほうがよいので、『100回空振りしてもいい。1回バットに当たれば、人生の逆転満塁ホームランになるんだ』と話しています」(堀口さん)

 採用企業による卒業生の評判もよく、仕事への意欲の高さや洗練されたビジネスマナーなどが評価されているという。就職実績が評価されて、16年度に新設された人文学部の偏差値は50になった。堀口さんは「今では、大学が入り口ではなく『出口』で評価されるようになりました」と話す。

 出口という点でみると、特定の職種や資格取得に強い特徴豊かな4年制大学もある。教育ジャーナリストの小林哲夫氏は言う。

「日本文化大(東京都八王子市)は警察官になるための基礎教育に力を入れていて、警察官志望者のためのAO入試も実施しています。15年度は90人が採用試験に合格しました。また、千葉科学大(千葉県銚子市)の危機管理学部は学内に消防車も保有し、消防官試験向けの教育をしています」

 そのほかにも、聖徳大(千葉県松戸市)は保育士や幼稚園教員の育成に強い。1933年に創設された家庭食養研究会を起源に80年以上の歴史を持つ女子栄養大(埼玉県坂戸市)は、女性に人気の管理栄養士の資格試験で全国1位の240人の合格実績だ(15年度)。資格取得をめざすなら、専門性が高くて試験対策に強い大学と言える。

週刊朝日  2017年2月3日号より抜粋