憑依や除霊 見えない世界を研究し見えてくるもの 京大大学院特定准教授 デ・アントーニ アンドレア 京都大学大学院人間・環境学研究科特定准教授、デ・アントーニ アンドレア。イタリアで日本語を学ぶうちに、仏教に興味を持ち、地獄の研究をするようになった。当時の夢はロック歌手。学者にだけはならないと思っていたのに、巡り巡って日本に来て、現在は京都で憑依や除霊を研究している。見えない世界の研究から見えてくるものがある。アンドレアの目に映る世界は、日本は、社会は、どんなものなのかを追った。 現代の肖像デ・アントーニ アンドレア 10/18
吉井妙子 すべては「母を笑顔にしたい」から始まった“東京のお笑いシーンを変えた”K-PRO代表・児島気奈 K-PRO代表、児島気奈。子どもの頃から、お茶の間でお笑いを家族で見るのが日課だった。家族が笑顔になるお笑いが大好きだった。その気持ちは大人になっても変わらず。いや、お笑いへの愛はずっと深くなった。いつしか見る人から、企画をする人へ。お笑いライブ制作会社を立ち上げ、東京のお笑いシーンを変えたとも言われる。でも、ただただお笑いが好きなだけなのだ。 現代の肖像児島気奈 10/11
観客の情が揺さぶられるようなダンサーに 英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル・高田茜 英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル、高田茜。3歳の頃、テレビCMで流れたバレエの映像に一瞬で心奪われた。バレエを学ぶため、自分の道を自分の手で切り開いてきた。2008年に憧れていた英国ロイヤル・バレエ団に入団すると、16年には最高位のプリンシパルに。高田茜のバレエ人生は、常にけがとの闘いでもある。落ち込むこともあるが、それも表現になると信じ、理想の踊りを追求する。 現代の肖像髙田茜 10/4
千葉望 “純度の高い”挑戦が新しい価値を作る 「和久傳」代表取締役社長・桑村祐子 「和久傳」代表取締役社長、桑村祐子。京都にある料亭「和久傳」。2代目の女将・桑村祐子は母の跡を継ぎ、母とはまた違う目線で和久傳を作り上げてきた。「室町和久傳」では新しく料理の名物を誕生させた。おもたせのお菓子の販路を開拓し、料理人の教育・独立制度を作った。「和久傳ノ森」も力を入れている。工房でありながら、森を作る。純度の高い気持ちで向き合うからこそ、新しい価値が生まれる。 現代の肖像桑村祐子 9/27
生徒たちに言い続ける「ぬくもりを伝える人となれ」 聖光学院中学校高等学校校長・工藤誠一 聖光学院中学校高等学校校長・工藤誠一。東大合格者数が100人となった聖光学院は今年、メディアでも注目を集めた。校長・工藤誠一の地道な改革が実を結びつつある。勉強漬けのカリキュラムではない。キャンプに宿泊旅行、文化祭など、多くの行事を用意し、工藤自らも楽しんで参加する。工藤が目指すのは、優秀で目配りができて、思いやりのある子を育てること。ぬくもりを伝えられる人になってほしいと願う。 現代の肖像工藤誠一 9/20
中村千晶 「俳優になりたい」と告げたとき、父からは一言「なめんな」 窪塚愛流が模索する自分だけの俳優像 俳優、窪塚愛流。俳優、ミュージシャン、ダンサーと、アーティスト一家に生まれた窪塚愛流は、自然と俳優になりたいと思うようになった。甘く見ていた世界ではなかったが、作品ごとに演技の壁が立ちはだかる。父が窪塚洋介というイメージも強い。だが、俳優の道は家族からもらった夢でもある。初舞台「ボクの穴、彼の穴。W」への挑戦も決めた。自分だけの俳優像を模索して進む。 現代の肖像窪塚愛流 9/13
革ジャンにサングラス 個性的な昆虫学者の“ご機嫌な生き物愛” 国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室室長・五箇公一 国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室室長、五箇公一。黒ずくめの服装にサングラス。最初はその姿に圧倒されるが、口を開けば人懐こさがにじみ出る。学者として環境保全を研究し、これまでにもヒアリなど有害生物の侵入を予測し、初期段階での食い止めに貢献。仕事に邁進する一方で、テレビにも出演し、その愛嬌で人気を博す。全力で楽しむことが、環境問題の啓発に一役買う。 現代の肖像五箇公一 9/6
「見間違い」が作品の着想のヒントに アーティスト・鈴木康広の気づきの力 アーティスト、鈴木康広。本来、マイナスにも捉えられる「見間違い」が作品の着想や制作のヒントだとアーティストの鈴木康広は言う。ふだんは見向きもされないもの、日常に当たり前に存在するものが、鈴木の気づきの力で「見立て」の作品として具現化される。鑑賞者は現実と仮想の境界に立ち、自分ならではの新しい気づきを「発見」することができる。 現代の肖像鈴木康広 8/30
中村千晶 紆余曲折の人生を隠さない 亜希「ここまで歩んできた自分の生き方、考え方が全部自分の肥やし」 ブランドディレクター・モデル・料理家、亜希。いつ会っても、明るくて朗らか。料理も、ブランドディレクターも、モデルも、すべて100%の力で向き合っている。その明るさは強さに裏打ちされている。幼少期に両親が離婚し、生活は貧しかった。芸能界に入るも、なかなか芽はでなかった。結婚、離婚を経験し、マスコミにも追われた。逆境のときこそ強く生きる。大事な人が幸せでいられるよう、いつも考えている。 現代の肖像亜希 8/23
芸人・河井ゆずる プレハブ小屋に住み、過労で救急車で運ばれ、芸人の夢を捨てたこともあった お笑いコンビ「アインシュタイン」の姿をメディアで見ない日はない。ツッコミの河井ゆずるにとって、芸人は憧れだった。3歳で父親が蒸発。家計を支えるためにバイトを掛け持ちして働き、過酷な生活の中で夢見たのが芸人になることだった。常に自分の頭で考え、行動し、人気芸人まで上り詰めた。大事にするのは人間関係。河井の人生を追いかけた。 現代の肖像河井ゆずる 8/16
ジンズCEO田中仁は、なぜ故郷・前橋のまちづくりに夢中になるのか ジンズホールディングス代表取締役CEO、田中仁。低価格だが機能的でかっこいい。日本のメガネ業界に大きなインパクトを与えたのが、JINSのメガネだった。創業者の田中仁は、信用金庫を経て、自分が納得した仕事をしたいとベンチャーの道を選んだ。今、田中が情熱を注ぐのは、故郷でもある群馬県前橋市のまちづくり。安寧の道を選ぶのではなく、常に挑戦を忘れない。 現代の肖像田中仁 8/2
「自分がなぜ物書きなのか、いまも謎」長い不遇時代を越え、人気作家になった燃え殻の原点 作家、燃え殻。デビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』がいきなりのベストセラー。その後も燃え殻の作品は常に人気だ。なのに、いつもどこか不安を抱える。燃え殻が現在地にたどり着くまでには、長い不遇時代があった。ラジオや雑誌が命綱だった。置かれた場所でもがき続けた燃え殻が、長い夜を越えて作家になるまで。AERA 2024年7月29日号「現代の肖像」より。 現代の肖像燃え殻 7/26
「僕にとって試合はマッチではなくてショー」 車いすテニス・小田凱人「魅せる」試合にこだわる理由とは プロ車いすテニスプレーヤー、小田凱人。今年6月、全仏オープンテニスの車いすの部・男子シングルスで小田凱人は大会2連覇を飾った。昨年、17歳の史上最年少で4大大会優勝を果たし、世界ランキングも1位に。ただ勝つだけでなく、エンタメ性も意識したプレーを追求する。8月には初めてのパラリンピックとなるパリ大会が幕を開ける。凱旋門の「凱」を名前にもつ小田が、王者としての凱旋をかなえる晴れ舞台だ。 現代の肖像小田凱人 7/19
国籍がどこでもひとつのチーム 日本を勝たせるために蹴る ラグビー選手・李承信 朝鮮学校出身で初のラグビー日本代表となった李承信。ラグビーの代表チームは国籍を重視しない所属協会主義が特徴だ。さまざまなルーツを持つ選手たちが、自分のルーツを大切にしながら、ひとつのチームとして戦う。多様性を体現するスポーツにおいて「実力で誰よりも上手く蹴れるように」と語る承信は試合ごとに進化する姿を見せている。 現代の肖像李 承信 7/12
矢部万紀子 頭ごなしに否定することなく、言動の背後にある気持ちをくみとって 第一生命グループ女子陸上競技部で選手を育ててきた山下佐知子 あの有森裕子が、山下佐知子を語って泣いた。驚いた。「よく泣くからねー」と、山下は笑った。このおおらかさ。選手でなくても、もっていかれる。開幕間近なパリ五輪に、選手を連れていく。輩出したオリンピアンは4人目だ。 現代の肖像山下佐知子 7/5
吉井妙子 「ボールの縫い目にもこだわってパスをする」 日本屈指の司令塔、女子バスケ町田瑠唯のパス力 女子バスケットボール選手、町田瑠唯。今年4月、女子バスケの富士通レッドウェーブが、シーズン優勝を決めた。16年ぶりの優勝に、会場が沸いた。優勝の立役者の一人である町田瑠唯は、東京五輪でも活躍、WNBAのワシントン・ミスティックスでもプレーをした。それでも「シュートを決めてくれるみんなのおかげ」と常に謙虚。人を活かすプレーが、やがて大きな花を咲かせる。 現代の肖像 6/28
大学で教壇に立つ元日テレ報道キャスター・小西美穂「学ぶ楽しさを伝え、人生の背中を押してあげたい」 関西学院大学総合政策学部特別客員教授、小西美穂。日が当たらないことでもテレビなら応援できると思った小西美穂は、大阪の読売テレビに就職。事件や司法を担当した。人一番努力しないと認めてもらえないと、休む間も惜しんで取材。数々のスクープを報じ、話題のドキュメンタリーを作った。異例の出向で日本テレビへ。キャスターとして活躍した後は、50歳で大学院で学び、現在は大学でも教鞭を執る。 現代の肖像 6/21
川口穣 自由な発想でレゴ ブロックの「無限の可能性」を表現 レゴ認定プロビルダー・三井淳平 レゴ認定プロビルダー、三井淳平。多くの人が子ども時代に遊んだことがあるレゴ ブロック。日本でただ一人の「レゴ認定プロビルダー」、三井淳平は橋や建物などの大型作品から繊細な絵画やジオラマまで、その表現で人を驚かせ、楽しませる作品を次々に生み出す。子どもの頃から工作やレゴ ブロックを楽しみ続けてきた。そのワクワク感や情熱を抱いたまま、自由で無限な世界を体現している 現代の肖像三井淳平 6/14
松田聖子の曲を歌いに歌い込んだものまねタレント「神田聖子」が選ぶ珠玉の10〈アーティスト別モノマネ頂上決戦 俺にアイツを歌わせたら右に出るものはいない第7弾きょう〉 松田聖子神田聖子アーティスト別モノマネ頂上決戦 俺にアイツを歌わせたら右に出るものはいない 8時間前